症状・治療法を正しく知り、心の健康を取り戻す
患者のための最新医学 うつ病 改訂版
- 価格
-
1430円(税込)
- 著者名
- 坪井 康次(監修)
- ページ数
- 192
- 判型
- A5
- ISBN
- 978-4-471-40836-7
うつ病の最新療養ガイド、改訂版
うつ病の患者さんは、年々増えつづけており、最新のデータによると、
患者数は全人口の約1割と報告されています。
患者さん本人はもちろんのこと、家族や職場などまわりの人々にも正しく理解していただくために、
うつ病の症状について、最新の薬物療法はもちろんのこと、
誤診・誤解されやすい「双極性障害(躁鬱病)」とうつ病の見分け方、
認知行動療法などの「精神療法」、患者さんの日常生活の改善や生活習慣の見直し、
再発予防についても、できるだけ分かりやすく解説しています。
改訂版では、新規で「うつ病をさらによく知るためのQ&A」を設けました。
早期発見で治療につなげる
うつ病は、体の病気と異なり、熱や痛みなどが出るわけではなく、本人も周囲の人も「心の病気」とは気づかないケースが少なくありません。心の不調だけでなく、体の不調も引き起こすため、だるさや不眠、食欲低下といった症状の原因がうつ病と気づかずに治療が遅れる場合も。正しい知識と理解を持つことが何よりも大切です。
大きな効果が期待できる薬物療法
うつ病治療の中心となるのが、抗うつ薬による薬物療法。最近では、副作用の少ないSSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)とSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)が主に使われています。最新の情報とともに効果や副作用について解説します。
目次
第1章 うつ病の症状についてよく知ろう
こんな症状はありませんか?/うつ病は自分では気づきにくい
うつ病は心と体に症状があらわれる /「ゆううつな気分」と「うつ病」の違い/
うつ病の「感情面」の症状/うつ病の「意欲・行動面」の症状/うつ病の「思考面」の症状/
うつ病の「身体面」の症状/世代で異なるうつ病の症状/女性のうつ病
・コラム 冬季うつ病
第2章 うつ病とはどんな病気?
うつ病は珍しい病気ではない/最近のうつ病の傾向/うつ病はどのように進行するか/回復までのプロセス/
うつ病と症状が似ている病気(不安障害/心身症/統合失調症/認知症/慢性疲労症候群/境界性パーソナリティ障害)/
うつ病と双極性障害(躁うつ病)/うつ状態を起こしやすい体の病気/薬剤が引き起こすうつ病/うつ病と合併しやすい病気
・コラム ふえている「難治性うつ病」
・コラム 「自律神経失調症とうつ病」
第3章 うつ病はどうして起こる?
うつ病になるきっかけ・誘因/うつ病になりやすい性格/急激な環境の変化/
ストレスがあたえる影響/ストレスを受けやすいタイプ/ストレスホルモンと脳内の変化
・コラム 双極性障害の脳内の変化
第4章 うつ病になってしまったら
うつ病も早期発見・早期治療が大切/よい医師の見つけ方/はじめての診察で聞かれること
うつ病の診断の目安/うつ病と診断されたら/まずは十分な休養をとること
家族の役割①患者さんとの接し方 ②いってはいけない言葉・かけたい言葉 ③日常生活でのサポート ④自殺を防ぐ/職場との連携/
・コラム 「外因性」「心因性」「内因性」という分け方
第5章 うつ病はどう治す?
うつ病治療の基本
薬物療法 ①抗うつ薬 ②抗不安薬 ③睡眠薬・気分安定薬・抗精神病薬 ④薬物による治療の基本方針
⑤薬の服用にあたっての注意点 ⑥抗うつ薬の副作用への対処法
精神療法 ①精神療法とは? ②認知行動療法 ③対人関係療法 ④そのほかの精神療法 /薬が効かない場合の治療法
・コラム 入院が必要なケース
第6章 再発予防と社会復帰
うつ病は再発しやすい/再発を防ぐポイント/
・コラム 再発予防のための「維持療法」
ストレスをためない工夫 ①生活のリズムをととのえる ②悪玉ストレスを減らす ③ストレスに対する抵抗力をつける
④ストレスを上手に解消する ⑤心と体の緊張をやわらげる ⑥質のよい食事と睡眠/社会復帰のタイミング
【うつ病をさらによく知るためのQ&A】
索引
うつ病の患者さんは増え続けています。なかなか治らずに慢性化している例も多く、他の病気と誤診されていたり、他の心の病を合併したりしていることも、うつ病を治りにくくしている大きな原因だそうです。近年では病気を取り巻く環境が変化し、個々が抱えている症状は複雑化しています。治療には、「うつ病」を正しく知ること、患者さんとそのご家族、そして周囲の理解と協力が欠かせません。心の健康を取り戻すために、ぜひ本書をお役立てください。